双子パパ形成外科医の台湾留学日記

30代の形成外科医が、台湾に留学することになりました。

台湾留学59日目 こどもの成長

やはり風邪だ。まだ本調子でない。今日はヤオ先生とチェン先生がオペをしているが、見学はやめておこう。

朱記でランチをして、スタバへ。

論文をもろもろ読む。日本じゃこんな時間とれないよなーと、純粋に。通常業務に、なぞの病棟仕事。しかも最近では医者の雑務はどんどん増えている。僕、常々思うのですが、看護師さんって国家資格ですよね?と笑 もう、ええ大人ですよね?なんでも医師判断にせんと、もう少し、自覚持って自分で責任取ってくれませんかね?と。あれも、これも、どれも、それも、みーんな医師のサインがないとできません。アホかー!!

昔の腐ったエピソードを思い出したので綴る。夜中の0時。もう寝ている時間に病棟から電話が来た。

"先生、今日入院した〇〇さんの患者さんの入院時の血圧が高くてどうしたらいいですか?"

…は? "言ってる意味がわからないです。今の血圧はいくらなんですか?"

"わかりません。患者は寝てるんで。"

は?そらそうやろ。この時間。僕も寝てるんですが。"言うてる意味がわかりません"ともう一度。

"いや、入院時に測った時の血圧が、入院指示の上限高値を超えてることに今気づいたので、電話したんです。指示では血圧180以上で医師に電話となってます"

えーーー知らんがな。ちなみに僕の患者ではない。ってか入院時って、午前中やろ?半日以上前やん。なんで今電話してくるねん。アホちゃうか。

"どーしましょ、患者さん起こしてはかります?今寝てますけど" とか言うてくる。本当にアホなのか。そして悪びれる様子は全くない。

そう、この人は夜勤の人なので、たまたま日勤のミスを見つけてなんで俺が尻拭いしなあかんなんという心で、今電話をしてきているのだ。しかし、日勤の人もたいてい180以上で血圧は引っかかるようになっているが、気にならなかったのだろうか?こういうところに、医療者としてのマインドとセンスのなさを感じる。そして、新人でなければ、血圧高値は基本的に症状がない場合何もしないことが多い事を、知ってるはず。まして入院時の血圧は緊張などで上がりやすい。この患者は少なくとも午後も頭痛などの症状なくすごし、ご飯も全部食べて、今既にぐっすり寝ている。深夜にわざわざ起こして血圧を計り直すことが、どー考えても不要な案件だろう。それを全く考えず電話してくるナース。なんでか。ただ一言欲しいのです。医師からの"様子見で"という言葉が。そしてカルテにただ一言書きたいのです。"医師に報告して経過観察の指示を受けた"と。その一点に全集中して、僕に電話をかけてきてるのです。

みなさん、これが日本の医療の現状ですよ。そりゃ、医師の書類のサインも増えるわ。

 

話がそれました。こどもの成長の話。

実は5月僕が去ったあと、双子のお兄の方の心が乱れてしまって。そもそも4月から学年が上がって、初めて双子はバラバラのクラスになったのです。お兄の方が結構環境の変化に弱くて。場所見知りとかもある方で。弟の方が社交的で新しい環境にも順応性が高くて。(同じ遺伝子なのに全く違う性格なのが非常に興味深いところ笑) そんなこんなで、まだ新クラスに慣れてないところに、パパがいなくなったから、ママへの依存度が爆上がりして、保育園に連れて行くのが大変になってしまった。まだママの方もパパなし生活に慣れてないので、そもそも負担がすごい。別れ際には、ママにしがみついて泣きまくるので大変だ。しかも、園には女の子の方が多い。ここで、女の子達を悪く言うつもりは全くないのだが、みなさん経験があるとおもうのだが、彼女達、非常に口がたっしゃなのだ。これは完全にX遺伝子とY遺伝子の違いかなと思うくらい、女の子たちの言語能力の発達には驚かされる。めちゃめちゃ喋る。そして、うちの子はうまく言い返せない。負のスパイラルに陥った。そして、極め付けは、ご飯中にトイレに行くのはダメだよみたいなことを言われたらしく。トイレに異常に敏感になり、トイレの回数がめちゃくちゃ増えたり、逆にご飯中我慢しすぎて間に合わなくて失敗したり、それで自尊心がさらに傷ついたり。もう大変だ。より一層保育園に行きたくなくなり、うちの双子はおむつは事前に外れていたのだが、家でもオムツに戻したいと言い出したり。かといって僕は助けてあげることもできず、そもそも5月は自分が慣れるのに精一杯で、嫁の相談にも上手くのれず。嫁のストレスも爆発寸前まで来て。我が家崩壊の危機でした。

解決方法はと言うと。とりあえず嫁さんと電話で作戦会議をした。まずヒアリング。メンズ諸君、これ大事。嫁はまず聞いて欲しいのだ。途中で遮ってはいけない。まとめると家事が多すぎて双子と向き合う時間が減っていること、絵本を読んであげてた時間に末っ子娘が起きてしまってその時間がなくなったこと、末っ子と双子の時間がうまく合わず双子が末っ子ベビーにイライラしていること、まだ新クラスに慣れていないことなど。解決策を模索した。風呂の時間をこうするのはどうだ?この日追加でおとんに手伝ってもらおうか?保育園のことは担任の先生に相談してみよう、などなど。最終的に僕の役割は、いろんなサービスや家電を追加して嫁さんが子供と向き合える時間を増やすこと(5月段階では家事が多すぎた)となった。あと保育園に必要なものも、全部僕が台湾から買うことに決めた。あとから気づくがこれは非常に大事なことだった!選択=意思決定というのは非常に労力を要するのだ。1日の意思決定を無駄にしないために、毎日同じ柄の服を着たり同じものを食べたりする人がいるように、意思決定は楽しくもあるが疲れる作業でもある。保育園で必要な新しいもの(本当に色々あるのだが、水筒とか、遠足グッズとか、あと服も)嫁がこんなやつと言ったのを僕が台湾からAmazonで買うシステム。これ最高です。嫁さんは空いた時間で子供達と遊べるし、物は勝手に家に届く。あとストックを持つのも大事。今まではかつかつで回していた笑 物増やすの嫌やし、お金かかるしで笑 でもそうすると、寝かしつけで寝落ちした後に、あーあれ洗っとかないととかになってもう一回起きないかん。なのでやめー!!ストック増量しました。これで嫁さんは寝かしつけのまま寝れる設定になった。洗濯代行もめちゃめちゃ良かったみたいで、笑(嫁絶賛)ダスキンが大阪の会社でよかった。最近、天満橋にもできたみたいなんで、みんな使ってみてください。徐々に配達エリアを増やしてるみたい。1週間分の子供達の服をダスキンが洗ってくれてます。

こうして色々やってみた結果、こどもたちとお話しできる時間や遊べる時間が増えて、絵本の時間もできて、よかったようです。すると子供達の方にも反応があって、トイレも徐々に元みたいにできるようになってきて、保育園も泣かずに行けるようになって、もちろん慣れもあるんやろうけど、再び笑顔がでてきて、よかったです。

なんども言いますが、留学は自分も大変やけど、家族も大変。嫁と子供達には本当に感謝。

 

そしてこどもの成長とは。この前日本に帰ったので、僕が台湾にもどったらまたお兄の方が荒れるんちゃうかな?と嫁が心配していた。僕もそれは心配だった。が、なんといっぱいパパと遊べたのが良かったのと、あとパパは台湾から帰って来れるというのがわかったみたいで、今回台湾に戻ったあとは、荒れることもなく保育園に行けてるとのこと。

道路を歩きながら電話したら、車に轢かれるから危ないよと心配してくれる始末、笑

嫁さん曰く、逆に弟君の方が少しナーバスになって、パパ今日は帰ってくる?と毎日聞いてるみたいです。交互にやってくるねー笑

なにわともあれ家族の危機は自分の危機。自分の危機は家族の危機。

これからもがんばります。